安心なお肉とは?
WHO(世界保健機関)が「地球規模で拡大しつつある薬剤耐性菌について警告」。英国でも「多剤耐性菌の蔓延と有効な抗菌薬の枯渇の中で、人類は医療の『暗黒時代』に逆戻りしつつあると警告」。米国でさえ「米国政府は薬剤耐性菌問題を克服するために、大統領令によるアクションプランを発表」しています。
以下のように日本国内の畜産業界でも薬剤は恒常的に使用されています。ようやく内閣官房・農林水産省・厚生労働省も抗生物質の取扱いについて注意喚起がはじまったところです
家畜に使用する抗菌性物質について(農林水産省HPより)
- 抗菌性物質は、疾病の治療を目的とした動物用医薬品や、飼料中の栄養成分の有効利用を目的とした飼料添加物として、家畜の健康を守り、安全な畜産物を安定的に生産するための重要な資材です。
- しかし、家畜に抗菌性物質を使用すると、薬剤耐性菌が生き残って増えることがあり(薬剤耐性菌が選択される)、抗菌性物質の効きが悪くなることがあります。
- また、食品などを介して薬剤耐性菌が人に伝播した場合、人の治療のために使用される抗菌性物質が十分に効かない可能性もあります。
- このため、農林水産省では、薬剤耐性菌のリスクを低減していくため、畜産分野における抗菌性物質の適正使用の確保のためのリスク管理措置の徹底や、薬剤耐性菌のモニタリング調査などに取り組んでいます。
もっと詳しい説明はこちら»薬効かない菌、鶏肉の半数から検出 厚労省研究班
国産や輸入の鶏肉の半数から抗生物質(抗菌薬)が効かない薬剤耐性菌が検出されたことが、厚生労働省研査で31日、分かった。健康な人なら食べても影響はないが、免疫力が落ちた病人や高齢者らの体内に入って感染すると、抗菌薬による治療が難しくなる恐れがある。抗菌薬は家畜の成長促進目的で使われることがある。食肉検査所などで約550検体を調べ、全体の49%から耐性菌が見つかった。
ちょっとおさらい・・・
- 遺伝子組み換え作物とは・・・畜産で多用されるのはトウモロコシ。遺伝子組換えされたものであること自体と、除草剤耐性があるため、発がん性が問題となっている除草剤グリホサートが多用されて栽培されています。動物への直接の影響と、お肉への残留が心配です。
- 抗生物質、抗菌性物質とは・・・細菌を殺したり、増殖を抑える薬剤。菌に耐性がつくと、抗生物質が効かなくなります。これが耐性菌の問題です。
- ワクチンとは・・・病気の原因となる菌を弱めたりしたものを摂取させてその病気への免疫力をつけるもの。
一般の飼育では抗生物質をあらかじめ飼料に混ぜ合わせて、一律に定期的に使用されています。ホルモン剤を使用しなくても肉の量が増えることも知られているのでこれが使用の一因ともなっています。人間も抗生物質の影響で肥満が増えているなどの発表もあります。